2014-11-19

李必と李広将軍の接点

 劉邦が彭城(ほうじょう)で大敗北を喫し、西へ逃げる途中、滎陽(けいよう)で元秦国兵の李必(りひつ)と駱甲(らくこう)を将軍に抜擢しようとします。二人は騎馬に習熟していて、追撃してくる項羽軍を迎え撃つ将として適任であると諸兵が推薦したからです。

 ところが二人は、自分たちは元秦国の兵だから劉邦の兵士(主に東国の兵で構成)は素直に命令に従わないと思い、将軍は東国出身者にして自分たちは将軍を補佐したいと申し出ます。
 そこで劉邦は配下の中から元絹商人の灌嬰(かんえい)を将軍に立てます。灌嬰は知名度が低いようで、聞いてもピンとこない人が多いかもしれません。張良や韓信とちがって、灌嬰自身の能力を示すエピソードがほとんどなく、戦功のほとんどが「部卒(部下)が敵将を斬った・捕らえた」といったものです。良く言えば部下の使い方がうまかったということなのでしょう。項羽を斬ったのも灌嬰の部下達です。

 灌嬰は後に丞相にまで昇進し、その元で校尉として活躍した李必も将軍に昇進し封地を得ています。「史記・樊酈滕灌列伝」には記述はありませんが、二人は親密な付き合いをしていたのではないかと推定しました。

 さて、ここからが本題です。李信の子孫である李広将軍は、一時期職を退き田舎でくすぶっていたことがあります。この時隣に住んでいたのが、灌嬰の孫の灌彊(かんきょう)でした。たまたま偶然住んでいたのでしょうか? 実は、家同士の付き合いが灌嬰の時代からずっと続いていたから、隣に引越してきたと考えられないでしょうか。

 そう考えると例によって妄想が爆発し、李必-灌嬰の仲を考えると李広-灌彊はその孫同士にあたるのではないか、それならば李広の先祖の李信は年齢的に李必の父になるはずだと妄想の連鎖が始まり、ついに李信の三男が李必だったという設定になりました。

 正直な話、李信の老後のストーリーを考えるのが難儀だったので、史記に登場する李姓の人物を無理やりひっつけたという面もあります。でもまぁ物語的には良い親子関係が出来上がったので、私的には満足です。

テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

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浅水伸彦

Author:浅水伸彦
李信の小説を読みたいのになかなか出てこないので、自分で書いてしまいました。

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