2014-07-14

始皇帝を狙う後宮勢力

 後に始皇帝となる嬴政(えいせい)は、秦国の正当な血筋を引いてないような記述が史記にあります。それが本当なら後宮からも疎ましい存在と目されていたでしょう。史書はその点について言及していませんが、暗殺を企てられたとしても不思議はありません。

 下図は、後に荘襄王(そうじょうおう)と諡(おくりな)された秦国三十代目の王、嬴子楚(えいしそ)が即位した時点での後宮の人間関係です。子楚が王位につけたのは華陽太后のおかげだし、実母の夏太后もないがしろにできない存在だったでしょう。さらに子楚の実子を設けた楚姫は華陽太后に勧められて夫人とした点からも考えると、後宮全体としては反嬴政派が多かったと想像できます。

後宮勢力

 そもそも始皇帝が後宮から狙われているという考えは、史記に書かれている成蟜(せいきょう)の叛乱を考察する過程で生まれました。当時数えで18歳の成蟜が単独で叛乱するのは考えにくかったので、だれか協力者(あるいはそそのかした人)がいたのではないかと考えました。協力者を色々想像している内に、身近な母親が黒幕であったとする方が自然に思えてきました。
 そこで、成蟜の叛乱は楚姫を首謀者としてストーリーを構成しました。また嬴子に嫁いでから叛乱に至るまでの事跡をポツポツとちりばめました。その事跡の1つに暗碧衆(あんへきしゅう)という闇の集団を使った暗殺話もありますが、それは成蟜の叛乱で唐突に登場する壁(へき)将軍の伏線も兼ねています。

テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

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浅水伸彦

Author:浅水伸彦
李信の小説を読みたいのになかなか出てこないので、自分で書いてしまいました。

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