2014-06-16

廉頗(れんぱ)を恨む郭開

 漫画キングダムでは李信が廉頗(れんぱ)将軍と対決していますが、残念ながら(?)本書では対決しません。というか一度も会いません。でも李信の父が李家村に住み付いたのは廉頗将軍に敗れたためなので、廉頗がいなければ李信は生まれてこなかったかもしれません。つまり李信の出生に大きく影響した人物です。

 だからと言う訳ではありませんが、李信と一度も会わない割には本書の前半に廉頗がたびたび登場します。実は、郭開(かくかい)との確執を思いついて、それが気に入って書いてしまったのです。

 廉頗は、藺相如(りんしょうじょ)と刎頚(ふんけい)の友[相手に首を切られても良いというほどの仲]になった故事で知られていますが、実はこれを読んで一つ気になったことがあります。藺相如は廉頗のせいで都中の笑いものになりましたが、藺相如としては深慮遠謀ゆえの結果だったので廉頗を恨む気もちは無かったかも知れません。しかし主人を笑いものにされて悔しい思いをした部下が全員結果を納得したのだろうかというところで疑問が出てきました。

 もしかしたら納得せずに廉頗を恨み続けていた人物がいたのではないか、と考えたところで郭開に思い当たりました。史記には、「郭開は廉頗を嫌っていて、策謀によって廉頗の帰国を阻止した」というようなことが書かれています。何で嫌っていたかの説明は史記には書かれていませんが、藺相如の件で恨んでいたとしたらしっくりする気がしました。

 そう思いついたら例のごとく妄想が爆発しました。そんなに嫌っていたのなら、帰国だけでなくたびたび廉頗を失脚させようとしたに違いない、長平に派遣された廉頗が更迭された件、廉頗が内乱を起こした件、とにかく廉頗に不都合な事跡すべてに郭開が絡んでいたに違いない、と妄想の連鎖が始まり、結果として下表のように二人の確執が物語の中にたびたび出てくることになりました。確執と言っても郭開の一方的な恨みなので廉頗は気づかなかったかもしれませんが。

れんぱのかかわり

テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

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浅水伸彦

Author:浅水伸彦
李信の小説を読みたいのになかなか出てこないので、自分で書いてしまいました。

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